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レフ板とは?初心者でも簡単!選び方から使い方、撮影効果まで徹底解説

2025.03.25 宇野真史

写真撮影でワンランク上の仕上がりを目指すなら、レフ板はぜひ使っていただきたいアイテムです。プロのカメラマンだけでなく、スマートフォンで写真を撮る方にもおすすめの「光をコントロール」できるレフ板。今回は、これから写真のクオリティを上げたい初心者の方に向けて、レフ板の基本から応用まで、わかりやすくご説明します。

レフ板って何?基本の「き」

レフ板の役割と効果とは?写真が劇的に変わる魔法のアイテム!

レフ板とは、光を反射させて被写体に当て、明るさやコントラストを調整する撮影用の道具です。英語では「リフレクター(Reflector)」と呼ばれ、「光を反射させる」ことが主な役割です。

写真撮影において、光のコントロールはとても大切です。カメラの設定だけでなく、被写体に当たる光の質や量によって、写真の印象は大きく変わります。例えば、太陽の光が強い屋外での撮影では、被写体の片側に濃い影ができてしまうことがあります。そんな時、レフ板を使って光を反射させれば、影の部分を明るくし、コントラストを柔らかくすることができます。

さらに、レフ板には以下のような効果もあります。

  • 影を柔らかくして、自然な印象に
  • 被写体の暗い部分を明るく補正
  • 人物の目や商品などに「キャッチライト」を入れ、生き生きとした表情を演出
  • 肌のトーンを明るく、より美しく見せる

特に初心者の方に嬉しいのは、レフ板は特別な電源や技術が不要で、どんなカメラでも効果を発揮できる点です。スマートフォンでの撮影でも、レフ板を使えば写真のクオリティがぐっと上がります。

レフ板を使うとどんな写真が撮れる?【使用例を紹介】

実際にレフ板を使うと、写真がどのように変わるのか見てみましょう。

ポートレート撮影では、レフ板がないと顔の片側に濃い影ができてしまいますが、レフ板を使えば影の部分が明るくなり、より自然で柔らかな印象になります。特に屋外での撮影で効果を発揮し、顔全体が明るく、目にはキラッとしたキャッチライトが入ることで、生き生きとした表情を引き出せます。

商品撮影では、商品の質感や細かい部分をより魅力的に表現できます。例えば、アクセサリーや時計などの金属製品は、レフ板からの反射光によって光沢感が増し、高級感のある仕上がりになります。また、料理の撮影では、食材の色や質感がより鮮やかに表現され、「美味しそう」と感じる写真に仕上がります。

風景写真でも、花やメインの被写体に光を当てることで、より印象的な写真にすることができます。レフ板がなければ暗く沈んでしまうような部分も、光を反射させることで明るく鮮やかな色彩を引き出せるのです。

初心者向け!レフ板の選び方ガイド

サイズはどう選ぶ?撮影シーンに合わせた選び方

レフ板を選ぶ際、まず考えたいのがサイズです。撮影する被写体や場所によって、ぴったりのサイズは変わってきます。

  • 小型(30cm前後):小物や料理の撮影にぴったり。持ち運びも便利で、狭い場所でも使いやすいです。
  • 中型(60〜80cm):ポートレートの顔から上半身、中くらいの商品撮影に向いています。
  • 大型(100cm以上):全身のポートレートや大きな商品、グループ撮影などにおすすめです。

初心者の方には、まず60〜80cmの中型レフ板をおすすめします。ポートレートも小物撮影もできる、使い勝手の良いサイズで、一人での操作もそれほど難しくありません。

また、屋外での撮影が多い場合は、風の影響も考慮しましょう。大きすぎるレフ板は風にあおられやすく、操作が難しくなることがあります。持ち運びを重視するなら、折りたたみ式の小型〜中型が便利です。

色は何を選べばいい?それぞれの特徴と使い分け

レフ板には様々な色があり、それぞれ反射する光の質が異なります。

  • :自然で柔らかい反射光を作り出し、影を明るくするのに最適です。色温度への影響も少なく、最も使いやすい色です。
  • 銀(シルバー):白よりも強い反射を生み出し、よりシャープでコントラストの強い光を反射します。暗い場所や濃い影を消したい時に便利です。
  • 金(ゴールド):暖かみのある光を反射し、肌を健康的で温かい印象にします。夕暮れ時や暗い室内での人物撮影におすすめです。
  • :光を吸収して影を強調します。反射を抑える「ネガティブフィル」として使えます。

初心者の方には、まず白色のレフ板をおすすめします。最も自然な反射光を作り出し、様々なシーンで使いやすいからです。もし可能であれば、白と銀の両面を使えるタイプを選ぶと、さらに撮影の幅が広がります。

ポートレート撮影をメインで行う方は、白・銀・金の3色セットも便利です。撮影環境や被写体に合わせて使い分けることで、より表現の幅が広がります。

形はどれがいい?丸型、四角型、三角型の違いと特徴

レフ板の形にも様々な種類があり、それぞれに特徴があります。

  • 丸型:最も一般的で、折りたたみ式が多いです。コンパクトに収納でき、均一な反射が得られます。
  • 四角型:反射する面積が大きく、全身撮影などに適しています。安定して設置しやすいですが、折りたたむとやや大きくなります。
  • 三角型:角度をつけて光を反射させやすく、特定の部分にピンポイントで光を当てられます。持ち運びしやすいですが、反射する面積はやや小さいです。

初心者の方には、使いやすさと持ち運びやすさを考えて、折りたたみ式の丸型レフ板をおすすめします。特に5-in-1タイプ(白、銀、金、黒、半透明の5種類が1つになったもの)は、様々なシーンに対応できるので便利です。

撮影のセッティングに時間をかけられる室内での撮影が多い方は、四角型も安定感があるのでおすすめです。一方、機動力を重視する方や、細かい部分の撮影が多い方は、コンパクトな三角型レフ板も便利です。

レフ板の使い方をマスター!基本から応用まで

基本の当て方:光の方向と角度を意識しよう

レフ板の基本的な使い方は、メインの光(太陽や照明)からの光を被写体に反射させることです。効果的に使うためのポイントをいくつかご紹介します。

まず、メインの光の位置を確認しましょう。屋外であれば太陽、室内であれば窓からの光や照明がそれにあたります。次に、被写体の影になっている側にレフ板を配置します。このとき、メインの光→レフ板→被写体という光の流れを意識すると良いでしょう。

レフ板の角度も重要です。レフ板を被写体に向かって45度くらいの角度に傾けると、自然な反射光が得られます。角度が浅すぎると反射が弱く、急すぎると反射が強すぎて不自然になることがあります。

距離も調整しましょう。レフ板を被写体に近づけるほど光は強くなり、遠ざけるほど弱くなります。ポートレートの場合、まず1〜1.5mくらいの距離から始めて、効果を見ながら調整するのがおすすめです。

応用テクニック:キャッチライトを入れてみよう

ポートレート撮影で特に効果的なのが、「キャッチライト」です。キャッチライトとは、被写体の目に映る光の反射のことで、これがあると写真に生命感が生まれます。

キャッチライトを上手く入れるには、レフ板を被写体の顔の高さよりやや高い位置に配置します。カメラ側から見て、被写体の顔の正面〜45度くらいの場所がおすすめです。

目の中に小さな反射(キャッチライト)が入っていることを確認しながら撮影しましょう。白いレフ板では自然なキャッチライトが、銀のレフ板ではより明るく目立つキャッチライトが得られます。

このキャッチライトは、人物写真に命を吹き込む「魔法」のような効果があります。同じポーズ、同じ表情でも、キャッチライトがあるかないかで写真の印象は大きく変わります。

1人でもできる!レフ板の持ち方・固定方法

レフ板を使った撮影は、本来なら一人がカメラを持ち、もう一人がレフ板を持つのが理想的です。しかし、一人で撮影することも多いと思います。そんな時のためのテクニックをご紹介します。

片手で撮影する方法:小型〜中型のレフ板なら、左手でレフ板を持ち、右手でカメラを操作することも可能です。安定させるために、カメラをストラップで首にかけるか、三脚を使うと良いでしょう。

身近なもので固定する方法

  • 椅子やテーブルに立てかける
  • クリップと三脚を組み合わせる
  • 洗濯バサミと椅子を使って固定する
  • 重しを使ってレフ板を自立させる

また、市販のレフ板スタンドを使えば、より安定して設置できます。折りたたみ式の小型のレフスタンドは持ち運びにも便利です。

セルフポートレートの場合は、カメラのセルフタイマーや、スマートフォンのリモート撮影機能を活用すると、余裕を持って撮影できます。

【番外編】意外と知らない?レフ板のたたみ方

折りたたみ式のレフ板は便利ですが、たたみ方がわからず苦戦する方もいるかもしれません。基本的なたたみ方を簡単にご説明します。

  1. レフ板を両手で持ち、横方向につぶすようにして両端を近づけます。
  2. レフ板が「8の字」になるように、右手を上に、左手を下にひねります。
  3. そのまま両手を近づけると、レフ板が3つの輪になります。
  4. 最後に輪を重ねれば、コンパクトにたためます。

慣れないうちは少し難しく感じるかもしれませんが、コツをつかめば数秒でたためるようになります。無理に力を入れてたたもうとすると、フレームが壊れる可能性があるので、優しく扱いましょう。また、レフ板の表面に指紋や汚れがつかないように、端を持つようにすると良いでしょう。

【目的別】レフ板活用術!こんなシーンで差がつく

ポートレート撮影:肌を明るく、瞳をキラキラに!

ポートレート撮影は、レフ板の効果が最も発揮されるシーンの一つです。特に以下のポイントに注目して活用しましょう。

屋外での自然光撮影

  • 順光(太陽が被写体の後ろにある状態)では、被写体の顔に落ちる影を柔らかくするために、下から白いレフ板で光を当てます。
  • 逆光(太陽が被写体の後ろにある状態)では、顔が暗くなってしまうため、正面から銀のレフ板で強めに光を反射させます。
  • 横からの光(太陽が横からあたる状態)では、影になる側に白または金のレフ板を配置して、顔全体のバランスを整えます。

室内でのストロボ撮影

  • メインの光の反対側にレフ板を置き、影を和らげます。
  • 被写体の下からレフ板で光を反射させ、あごの下の影を薄くします。
  • 金色のレフ板を使って、暖かみのある光を加えます。

特に肌の質感や色合いは、レフ板の選び方によって大きく変わります。白いレフ板は自然な肌色を、金のレフ板は健康的で温かみのある肌色を演出できます。また、適切な位置からレフ板を当てることで、目にキャッチライトを入れ、生き生きとした表情を引き出せます。

物撮り:商品の魅力を引き出す!

商品撮影では、商品の質感や細かい部分をより魅力的に見せることを目指しましょう。レフ板を使って商品の魅力を最大限に引き出します。

アクセサリー・ジュエリー撮影

  • 白または銀のレフ板を使い、宝石や金属部分にキラッとした反射を作ります。
  • 小型の三角形レフ板を使って、細かい部分に光を当てます。
  • 黒のレフ板(ネガティブフィル)を使って、不要な反射を抑えます。

料理撮影

  • 白いレフ板で全体を明るくし、食材の色を鮮やかに表現します。
  • 金のレフ板で暖かみのある光を加え、「美味しそう」な印象にします。
  • 上からレフ板で光を反射させ、テカリや影を調整します。

コスメ・化粧品撮影

  • 銀のレフ板でシャープな反射を作り、商品の高級感を強調します。
  • 複数の小型レフ板を使い、商品の各部分を効果的に照らします。
  • 半透明のレフ板(ディフューザー)を使って、光を柔らかく拡散させます。

商品撮影では、レフ板の位置や角度を少し変えるだけで、商品の見え方が大きく変わります。色々な角度から試して、最も魅力的に見える位置を見つけることが大切です。

風景撮影:空を青く、花を鮮やかに!

風景写真でもレフ板は活躍します。特に部分的な明るさの調整や、特定の被写体を目立たせたい場合に効果的です。

花や植物の撮影

  • 太陽光で強い影ができている花に、下からレフ板で光を当てて明るくします。
  • 逆光での撮影時、正面からレフ板で光を反射させ、花の色を鮮やかにします。
  • 風が強い日は、小型のレフ板を使って細かい部分を照らします。

水辺の風景

  • 白いレフ板で空からの光を反射させ、水面の青さを強調します。
  • 金のレフ板で夕暮れ時の暖かみを増幅します。
  • 人物との組み合わせ撮影では、人物に適切に光を当てて風景と調和させます。

風景撮影では、広い範囲を一度に照らすのは難しいですが、メインとなる被写体(花、木、岩など)に絞ってレフ板を使うことで、メリハリのある印象的な写真に仕上げることができます。

【プロの裏技】レフ板の代わりに使える身近なもの

白い布、紙、ボード…身の回りのもので代用可能!

専用のレフ板がなくても、身近なものでレフ板の代わりにすることができます。以下に、家にあるもので代用できるアイテムをいくつかご紹介します。

白いシーツや布

  • 大きな面積を照らせるため、全身ポートレートなどに最適です。
  • 光の拡散性が高く、柔らかい光が得られます。
  • 固定が難しいため、クリップや重しで固定する必要があります。

白い画用紙やポスターボード

  • 手に入りやすく、小〜中型のレフ板として使えます。
  • 硬さがあるので形を保ちやすいです。
  • 水に弱いため、屋外での使用には注意が必要です。

アルミホイル

  • 銀のレフ板のように強い反射が得られます。
  • 厚紙やボードに貼り付けて使うと便利です。
  • しわがつくと反射が不均一になるため、平らに張ることが大切です。

発泡スチロールボード

  • 軽くて扱いやすく、白い面は柔らかい反射が得られます。
  • サイズを自由にカットできます。
  • 風に弱いため、屋外では重しが必要です。

これらの代用品は、プロ用のレフ板と比べると反射率や耐久性で劣る部分もありますが、レフ板の効果を試してみたい初心者の方や、急な撮影で準備ができていない場合には十分役立ちます。

窓からの自然光を最大限に活用するコツ

室内撮影では、窓からの自然光を上手く活用することで、レフ板の効果をさらに高めることができます。

窓際での撮影テクニック

  • 被写体を窓から1〜2m離した位置に配置し、窓の反対側にレフ板を置くと、バランスの良い光が得られます。
  • レースカーテン越しの光は、自然な拡散光として使えます。
  • 大きな白い壁がある場合、そこに窓からの光を当て、その反射光を利用します。

時間帯による光の変化

  • 朝夕の柔らかい光の時間帯が最も美しい仕上がりになります。
  • 正午前後の強い光は、カーテンなどで拡散させると使いやすいです。
  • 曇りの日は、窓全体が大きなソフトボックスのように機能し、レフ板との相性が良いです。

自然光と小型のレフ板を組み合わせることで、スタジオ機材がなくても、プロのような美しい写真を撮ることができます。窓の方向や大きさによって光の質が変わるため、色々な窓際で試してみると良いでしょう。

レフ板の基本から応用までを解説してきましたが、最も大切なのは実際に使ってみることです。理屈だけでなく、実際に使ってみて学ぶことが多いので、ぜひこの記事を参考に、レフ板を使った撮影にチャレンジしてみてください。ちょっとした工夫が、あなたの写真を大きく変えるきっかけになるはずです。

宇野真史

プロのカメラマンが撮影します

出張撮影、イベント撮影、ポートレートなど様々なシーンに対応いたします。東京都から関東近辺でカメラマン派遣サービスを行っています。フォトUNO(フォトグラファー宇野真史)にお任せください。